天窓からの結露が止められない理由
トップライト(天窓)は雨漏しやすい箇所です。
屋根に穴を開けている都合上仕方がありません。
しかし雨漏りだと思っていたその水滴は、実は結露だった…という場合もあります。
雨漏りがしやすい天窓なのでつい早合点してしまうのですが、雨漏りなのか・結露なのかは注意深く観察してから判断しなければなりません。
また、雨漏りの場合は費用さえ掛ければ直すことが出来ますが、実は結露が原因だと直す事が出来ない場合もあります。
今回はそんな「天窓の結露を止める難しさ」と共に、予防策や対応策についてまとめてみました。
結露が発生する仕組み
まずは、建物内の結露の仕組みから解説してみます。
- 外気温と室内温度の差が激しい
- 室内の湿度が高い
- 外気と接する部分の断熱性能が低い箇所に発生
天窓に結露が発生する時期と場所
天窓に限った事ではありませんが、結露が発生するのはおおむね冬場です。
特に、外気温が一気に下がる明け方や暖房をして外気温が下がってくる夜には、外気と直接接している天窓ガラスの内外での温度差が大きくなります。
すると結露は起きやすくなるのです。
特に3階のお部屋は暖かい空気が上に滞留するので温度差も大きくなりがちです。
結露予防の対策
結露予防の対策としては上記の3項目を抑えれば良いのですが、なかなか簡単にはいきません。
唯一出来る対策は(2)の湿度管理でしょう。
湿度を管理する方法は、下記の4点です。
- マメに室内の換気を行う
- 換気扇を回す
- お洗濯物の室内干しは避ける
- 除湿機を利用する
①マメに室内の換気を行う |
②換気扇を回す |
③お洗濯物の室内干しは避ける |
④除湿機を利用する |
お部屋の湿度管理をすれば結露は抑えられるが…
室内の湿度を常に60%以下にすれば結露の発生はかなり抑えられるようです。
しかしこれがかなり難しく、湿度とは温度によって変化する数値であるからです。
例えば室温20度・湿度60%の密閉空間を室温12度に下げると湿度は100%となり、結露が発生します。
これは空気中の水蒸気が一定のためです。
先に「常に湿度60%以下」と記したのはこのためで、室温が何度であろうが湿度を60%に保てれば、という条件がいかに難しいかという理由になります。
温度変化に応じて常に室内の水蒸気を排出しなければならないからです。
上記の室内20度の環境で、外気に接している天窓ガラスの室内面の温度が2度になっても結露が発生しない湿度はなんと30%です。
お部屋はカラカラ状態で、お肌もピリピリ・カサカサになってしまいます…
天窓は構造的に結露しやすい
また、天窓は構造的に結露を起こしやすい場合です。
特に吹き抜けている天井に付いている天窓は、「小屋裏」と呼ばれる空間が無いため、室内と外気の温度差を調整する働きがありません。
壁内の空気が循環せずに滞留するため、どうしても湿気が高い状態となりがちです。
天窓のガラスは直接外気と接する箇所のため、基本的に対処のしようが無いのです。
天窓の結露対策
天窓の結露対策について、インターネットで調べた結果、対処法をいくつか見つけました。
- ガラス内面に車用のコーティング剤(ガラコなど)を塗る
※出展→結露対策に車のガラスコーティング剤:glaco(ガラコ)を塗ってみた
- ガラス下部にホームセンターなどで売っている「結露給水テープ」を貼る
※出展→結露対策グッズ比較【3】窓に貼るだけ!結露吸収テープの効果は?
- 結露防止スプレーを使う
※出展→結露の水だれ防止スプレー 製品情報|家庭塗料はアサヒペン
ガラス面に付いた結露はマメに拭くのが一番ですが、天窓ガラスですとそうはいきません。
上記のガラコは一度塗ると半年くらいは効果が有るようです。(防止ではなくあくまで結露水の減少効果)
そしてガラス下部に落ちてきた結露水を吸水テープで自然乾燥させるという対策です。
最後の結露防止スプレーは、良さそうに思えますがネット上の評価は今一つでした…。
結露対策は物理断熱しかない…?
後は定番の「プチプチ」や、「ダンプラ」で物理的な断熱層を作るのが手です。
これはDIYリフォームの範囲ですね。
それ以上になると、内窓になってしまうので、リフォーム工事になってしまいます。
まとめ
手軽に天窓の結露を防止するのは、なかなか難しいですね。
家自体が高気密・高断熱になって来ると、ピンポイントで気になってしまいます。
建てた時からその点も考えて貰えれば良いのですが、建売の場合セールスポイントとなる天窓は見栄え重視になってしまいますから仕方が無いのかもしれません。
解決案のある記事でなく申し訳ありませんが「天窓からの結露が止められない理由」として納得して頂ければと思います。