塗料の容器「一斗缶」とは?
一斗缶とは
塗料の入っている缶は主に一斗缶(いっとかん)です。
一斗缶は一般的には「石油缶」とも呼びますが、正式名称は「18リットル缶」だそうです。
今回は私たち塗装業者が一番身近でお世話になっている「一斗缶」についてお伝えします。
一斗缶のJIS規格
JIS規格では一斗缶の形状を以下のように定めています。
- 天板、地板は一辺の長さが238.0±2.0mm
- 高さは349.0±2.0mm
- 質量は1140±60g
- 容量は19.25±0.45リットル
天板の形状
入れるもの・利用方法の性質や利便性からか、天板の形状には規定が無く、下記のようなタイプがあります。
- 全面開いていて外側全体を開けられる缶蓋(缶キャップ)で閉めるタイプ
- 大・中・小などの丸い蓋で開閉できるタイプ
一斗の容量と単位
斗(と)とは、尺貫法における体積(容積)の単位です。
- 1斗=約18.039リットル
- 十升が一斗
- 十斗は一石(いっこく)
つまり、「加賀百万石」は「加賀一千万斗」という事になるみたいです。
一斗缶をTVで見る機会
塗料容器以外ので一般の方が目にするとしたら、コントやプロレスで頭を殴る小道具としてTVで見た事があるのかもしれません。
しかし個人的に商売道具として身近な一斗缶ですが、空缶とは言え(ふざけてでも)頭に当た事が無いので、実際にはどれくらい痛いのか?危ないのか分かりません・・・。
Wikipediaの一斗缶のページでは「大きな音が出る割りには簡単にへこむなど強度が低く、安全性が高いため」にコント等の小道具として使われている。と記載がありますが、「安全性が高い」とは表現に誤解を生む気がします。
全く根拠はありませんが、TVの小道具は私たちが普段使っている塗料缶の空缶とが違い、薄っぺらいのかもしれません。
塗料容器としての一斗缶
外壁塗装で使うような塗料は、おおむね一斗缶に入っています。
一斗缶に入っている塗料の量(重さ)
一斗缶に水を入れると18リットル入りますから、重さは18㎏になります。
しかし塗料の場合、水とは重さが違うので18リットル入っていても18㎏になるとは限りません。
ですから場合によっては20㎏の塗料が入っているものもあります。
また、最近は一斗缶だの中身が18リットルとは限らず、16リットル(体積表記)のものなどもあり、内容量は様々です。
一斗缶+小缶でセットになる塗料
最近の塗料では最初は2つの缶に分かれていて、塗る時に2つの液を混ぜて使うものも多くなって来ました。(2液型塗料)
2液型塗料の場合、一斗缶と小さい缶のセットとなっている場合が多く、この場合には両方の塗料を合わせて16㎏や15㎏になるような容量が入っています。
そのようにしておかないと、一斗缶に小さい缶の塗料を全部入れて混ぜた時に溢れてしまうからです。
一斗缶のデザイン
同じ容量の塗料でも種類によって値段が違います。
当然、お安い塗料は一斗缶のデザインパッケージも節約してあります。
塗料の価格が高くなるにしたがって外側のパッケージ印刷が高級になります。
最近は黒や紺地に金文字の一斗缶が多くなっているように感じます。
塗料缶の再利用法
外壁塗装では一斗缶を塗料の容器として再利用します。缶の上部を切って持ち手を作り、塗料を入れて使います。
基本的に塗料は一度乾いてしまえば再利用したときに溶け出すことは無いので、何度かは再利用が可能です。
しかし、使用済みの汚れた一斗缶を再利用するのは見栄えが悪いし、新しい一斗缶は次々に出て来るので基本的に容器として再利用するのは1回だけです。
再利用する一斗缶の作り方
油性塗料で使うシンナーの入っていた一斗缶は、使い終わったら綺麗な空缶になります。
また、水性塗料の一斗缶は使いきった後ですぐ水で洗えば新品同様に出来ます。
現場の職人たちは一斗缶の中身が空になる時には、次に再利用出来るかどうかを常に考えてストックしておくのです。
一斗缶の再利用ギャラリー
再利用の方法は、主に一斗缶の上部をカワスキで切り、持ち手を加工して作ります。
持ち手はそれぞれの職人の好みにより何種類もありますので、施工事例からご紹介します。