外壁塗装の見積り方法が業者によって違う理由
外壁塗装の業者と初めて顔を合わせて話をするのは見積り調査の時です。
チラシやホームページ等からの「業者の一方通行の情報」だったものが、お互いに顔を合わせるようになるので、思っていたイメージと合っていればホッとしますし、イメージと違っていたら嫌なものです。
そして「見積り」と言ってもどの業者も同じような手順でするわけではなく、各社バラバラの手順や現地調査を行います。
何社かの見積りを取れば、当然イメージ通と違う業者が出てきます。
では、見積もりを取ってみると実際にどんな事が起きるのでしょうか?
皆さん結構驚かれるポイントですので、イメージトレーニングも兼ねて実際によくあるポイントをお伝えしてみましょう。
- 外壁塗装の見積りの手順が業者によってだいぶ違うことが分かる
- 見積りに来る人には「営業マン」と「外壁診断士」がいる
- 見積りの時に業者が確認しなければいけない5つのポイントが分かる
- 見積りを丁寧に行う業者に頼みたい方
- 業者都合の見積りで工事をされたくない方
- 適当な見積りをされて、工事になった時に「思っていたのと違う…」と後悔したくない方
1・見積りに掛ける時間が10倍も違う!?
「見積もりをする時間」は業者によってまちまちです。
お客様からよく聞く話では、「見積もりに来たけれど何も聞かれないし15分くらいササッと見て帰っちゃったわよ」という業者さんが結構いるらしいです。
中には5分で帰ったという場合もあり、時間にして10倍以上の差が出る場合も珍しくありません。
見積り時間が短い業者がいる理由
どうしてこんなに見積りに掛かる時間が短いのかというと、違いは下記のような部分になります。
- 見積り金額を「家の大きさ(床面積)」だけで決めるから【下請け工事】
- 担当者が外壁の状態を診断することが出来ないので【外壁塗装に詳しくない担当者】
- 業者都合の売りたい塗料しか勧めないから【塗料の種類を選べない】
…このような「安易な見積り」を作る場合には、見積りの時に時間が掛りません。
見積り前のヒアリングは必要?
正直、花まるリフォームは時間が掛かるほうで申し訳なく思うのですが、(参照→花まるリフォームの見積もりの流れ)
最低でも以下の3点はきちんとお聞きしなければなりません。
- 工事へのご要望
- 使う塗料の簡単な説明
- 見積もり書を作る塗料を決める
この説明をきちんと行うと、最低でも30分は掛ります。
その後で外壁の種類や状態を確認します。
もちろん同時に不具合や修理・補修の要不要の診断チェックを行い、同時に塗装する場所と面積を計るのです。
この部分も普通に行うと、やはり30分以上は掛かってしまいます。
しかし、お客様からよく聞く話では、「見積もりに来たけれど何も聞かれないし15分くらいササッと見て帰っちゃったわよ」という業者さんが結構いるらしいです。
中には5分で帰ったという場合もあり、時間にして10倍以上の差が出る場合も珍しくありません。
2・見積りに来た人が全員違ったことを言う・・・
不思議ですが、これも必ずお客様の全員から言われます。
見積りに来た人(営業マン)がどんな事について意見やアドバイスを言うのか、私なりに想像すると「お勧めの塗料」についてと、「工事の方法」についてが主なポイントではないかと思います。
「お勧めの塗料」にご用心
塗料については、その会社の営業的に一番儲かる塗料を勧める傾向にあります。
また、「長持ちする塗料=良い塗料」という理由で一般の方を言いくるめる傾向にあるようです。
そして「長持ちする」という事は、今回の工事費が割高でも「長い目で見ればお得」なので、高額な工事を勧めるセールスポイントにもなりますね。
さてそこで、果たしてそのような塗料を使うと長持ちするかというと、残念ながら無理な事が多いものです。
「長持ちする塗料」には手抜き業者が多い!?
ひどい話ですが、割高な工事を勧める業者の方も工事は手抜き工事になりがちです。
ですから残念な事に、長持ちする塗料も長持ちしなくなってしまいます。
なぜなら、真面目な業者ほど「長持ちする塗料」を勧めないからです。
適切な間隔で適切な塗装工事を行うのが建物にとって最善なのは当たり前だからです。
(適切な間隔とは、10年~14年程度)
つまり、「15年以上長持ちする塗料」を勧める会社は「工事会社」よりも「営業会社」が多くなる傾向にあります。
(訪問営業の会社に多い)
つまり工事の品質より会社の売り上げ・儲けを第一に考えるので、自然と下記のようになります。
- 塗装が「塗料の質」より「工事の質」の方が大切だと分かっていないので、工事の質にはこだわっていない
- 塗料のカタログ・パンフレットに書いてある事を妄信している
- 下請けに安く工事をさせる
- 手抜きは見抜けない又は手抜きを見逃す
…このような事が多くなるのです。
その「長持ちする塗料」がリーズナブルであるなら何も問題がありませんが、大抵そうはいきません。
工事の方法は、ほぼ「持論」
特に外壁塗装の場合、独自の理論や過去の失敗による改善策などの個人的経験による理由で「この工事の方法が良い」と決め付ける傾向にあります。
それぞれが独自理論になってしまうので、悪気は無いのでしょうが明らかに間違ってしまっている理論をお客様に話して帰る業者もいます。
手抜き工事は証明出来ますが、工事技術の正しさは証明しようが無く分かりにくいものです。
これが、工事の方法について「業者により言うことが全然違う」の1つの理由です。
よく話題になり、お客様から「●●と言われたけど、その方法の方が本当に良いの?」といった質問を頂くのは以下の例です。
- タスペーサーの必要性
- ヒビ割れに対する処理(Vカット)
- コーキング(シーリング)の必要性
- 艶消し塗料が良いか・艶有り塗料が良いか?
- ガイナの断熱性
- 屋根は塗装で大丈夫か葺き替えなければならないか?
- 屋根をカバー工法(ガルバリウム)でやるか、再度コロニアルで葺き替えるか?
誰の言っている事を信じるかは、簡単なようで難しいものです。
3・屋根の塗装も頼んだのに、屋根に登って確認しない業者がいる
ウソのような話ですが、見積りに来るのにハシゴを持って来ない(車に積んでいない)業者がいます。
また、積んでいても屋根を見ない業者が半数以上のようです。
確かにハシゴで屋根に登っていくのは危ないので、安全管理を徹底すれば「会社としては」止めざるを得ません。
しかしそれは、板前さんに「包丁が危ない」と言うのに似ている気がします。
ハシゴで屋根に登るのに視覚や免許があれば良いのかもしれませんが、見積りをするのに対象物を見もしないのでは、正確性に欠ける見積りになってしまいます。
急傾斜の屋根や、ハシゴを掛ける場所が無い場合は仕方がありませんが、出来るだけ「見て・触って」確認したいのが本質だと思います。
4・業者が見積りでチェックしなければならない5つのポイント
業者の立場で実際に「見積もり」を行う際には、以下の5つの事を必ず行い、確認をする必要があります。
- 現状の外壁の状態を確認して、塗装だけで良いのか補修が必要な場所は無いのかの診断をする
- 現状の外壁に適した塗料の選択をし、どのような方法で工事を行うかの工事の設計図を練る
- 現状の外壁に適した塗料の選択をし、その説明をお客様に分かるように解説して、どの塗料で見積もりを作るか決める
- 外壁の面積や塗装しない場所を計測して見積もりの面積を出すための寸法を測る
- 工事を行う際に出来ない事や必要になる注意事項を、お客様にあらかじめ伝え理解してもらうこと
これを行わないで「見積もり」を終えてしまうと、結局お客様とすれ違いが起きて「思っていたのと違う!」といったトラブルの元になってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
見積もりは工事の大切な設計図ですから、簡単には済ませられません。
見通しが甘ければ、工事全体がガタガタになってしまいます。
通常、「見積もりは無料」で行いますが、実際はその後の工事自体より難しく知識と経験が必要な仕事ですので、雑な見積もりの場合は雑な工事しか出来ないので注意しましょう。
投稿者プロフィール
- 花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。
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