2017/09/02

バルコニーFRP防水のメンテナンス①正しいトップコートの塗り替え方法

 
バルコニーFRP防水の正しい塗り替えの方法

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花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。

今回は、バルコニーFRP防水のメンテナンスの方法の中から【トップコートの塗り替えの正しい方法】という一番ベーシックな工事についてお伝えします。

バルコニーや屋上のFRP防水にも外壁の塗装や屋根の塗装同様にメンテナンスが必要なのですが、あまり知られていないのが実情です。

外壁塗装の時に同時にメンテナンスや補修の必要が無いかをチェック出来れば良いのですが、一般の業者では不勉強なのか工事が面倒なのか、チェックすらしていない場合も多いようです・・・。

そこでここでは一般の方向けに、バルコニーや屋上のFRP防水メンテナンスはどんな場合にどんな工事が必要なのかを解説し、必要があれば工事を依頼出来るように解説をします。

 

  • バルコニーの床がFRPで、メンテナンスはどうしたら良いか知りたい人
  • 外壁塗装の計画があるが、バルコニーの床は塗った方が良いのか知りたい人
  • バルコニーの床がハガレていたりヒビ割れていたりして、補修が必要だと感じている人

 

1. バルコニーFRP防水とメンテナンスの特徴

1-1. バルコニーFRP防水のメリット

バルコニーFRP防水の正しい塗り替えの方法

FRPトップコート施工後

2000年以降に建てられた住宅では、バルコニーの床がグレーのFRP防水で出来ている事が多くなりました。

FRP防水のメリットは主に以下の2点です。

  • 防水性
  • デザイン性

バルコニーの床をFRP防水にする理由は、木や鉄のように錆びたり腐ったりしない為メンテナンス性に優れている特徴があります。
FRP防水は洗面台やプールにも使われているので、軽くて水に強い特徴があるのです。

また、FRP防水の床にすることで、バルコニーの外壁を外壁と同じ素材に出来るので外観を御洒落にスッキリとしたデザインに出来ます。
さらにバルコニーの外側がフェンス形状では無く、壁状になることで外からの視線を遮りプライバシーも守れるメリットがあります。

 

1-2. バルコニーFRP防水のデメリット

FRP防水の剥がれのほとんどは新築時の施工不良が原因 FRP防水は経年劣化でこのように剥がれない

FRP防水には以下のような注意点(デメリット)もあります

  • 新築時の工事業者(職人・監督)に経験が無い
  • メンテナンスに対するノウハウが業者(職人)に行きわたっていない

このように新築時の不具合や、初めてメンテナンスをする時の失敗が出始めてしまう理由は、FRP防水の床が本格的に使われ始めてから約20年弱しか経っていないこともあります。

新築工事でさえ初期不良工事を起こさせないノウハウや管理方法が、まだまだ浸透していません。
リフォーム工事のノウハウに至っては「何となく」で行っている業者ばかりと言った印象です。

今後は、新築時に工事の失敗が無くてもリフォーム時に失敗工事を行ってしまった方の改修やり直し工事が増えてしまうのではないかと、個人的には少々心配になっています。

 

1-3. バルコニーFRP防水のメンテナンス方法の5段階

バルコニーFRP防水のメンテナンスは、下記の5段階の改修方法があります。
今回の解説は1番目の項目になります。

  1. 劣化が少なく補修不要の場合 :【トップコートの塗り替え塗装工事】
  2. 部分的に補修箇所がある場合 :【FRP(ガラス繊維)の部分貼り補修】
  3. 部分的補修が全面にある場合 :【FRP(ガラス繊維)の防水層全面張り直し】
  4. 防水の下地から改修する場合 :【ベニヤ下地の改修とFRP防水の全面張り直し】
  5. 雨漏りなどの改修を含む工事 :【それぞれの目的に合わせた工事】

 

2. トップコートの塗り替えで済む劣化の状態【4事例】

今回お伝えする【トップコートの塗り替え塗装工事】で済む場合というのは、新築工事で失敗が無く初めてFRP防水の塗り替えをする場合の正しい工事方法です。
FRPの維持管理という意味で言えば、一番正しく適切な方向性と言えます。

逆に言うと上記2番~5番までの場合は、残念ですが少々難有りな方向に行ってしまった場合ですね。
(また、現状で下記の状態であっても塗り替えの方法が間違ってしまうと、再塗替えの時に2番~5番の状況になってしまう可能性もあります)

では、一番理想的な経年劣化の状態である下地とはどの程度の状態なのでしょうか。
主な4パターンをお伝えします。

 

2-1. FRPの表面に経年劣化による退色がある場合

FRP防水は、おおむねグレー色をしています。(メーカーカタログ上にはグリーンや肌色系もあるようですが、ほとんど見た事がありません)

そのグレー色が日に焼けて退色していくと、グレー色が薄く・白っぽくなってきます。(見たままの表現ですが…)
おおむね10年程度経つと、このように床面の色が褪せてきます。

FRP防水の表面劣化と退色

FRP防水の表面が退色するとグレーの濃い部分と薄い部分が出始める。

 

退色の確認方法

どの位褪せているかを確認するには、床面と立ち上がり面の色の差を見比べると分かりやすい場合が多いです。

床面は太陽に良く当たり劣化が進みますね。
それに比べて立ち上がり部分にはあまり日は当たらないので劣化が少なく済むのです。
この劣化の差でグレーの色に差が出ていると、床面がどの位色褪せしているかが良く分かります。

床面は退色していても立ち上がり部分は多少色が濃い事が多い

床面は退色していても立ち上がり部分は多少色が濃い事が多い

 

2-2. FRPの表面にハガレがれがある場合

FRPのトップコート塗装が剥がれがある、又は ごく一部に小さなハガレがある場合は厳密には少々危険がありますが、おおむねトップコート塗装で済ます事が出来ます。

「厳密」の部分を解説すると…少しでも剥がれているという事は全ての面が今後剥がれてくる「可能性を否定できない」という事です。
ただ、下記の事例のような場合だと、そこまでの可能性を加味するとオーバー過ぎるかなと思います。
全てを完璧にしようと思うと、キリがありませんので…

下記写真のように、ほんの少しだけFRPのグレーの表面が剥がれている事があります。
おおむね1㎝程度~10円玉程度の大きさで、このような剥がれが数カ所であれば大袈裟に考える必要は無いでしょう。

それよりも大きい場合や、5か所以上剥がれている場合には「大丈夫です」とは言い辛くなります。
ごく一部に小さなハガレがある場合

 

トップコートの塗替えがギリギリ可能な剥がれの状態とは?

剥がれの大きさ的にギリギリの状態が下記の写真です。
実のところ長さは10㎝弱だったのですが、剥がれているのがこの部分だけだったのでトップコートだけで済ます事にしました。

この下地のFRPトップコートの塗替え事例をこの後で解説しているのでご覧下さい⇩

ポイントは、剥がれた奥の下地が見えていること

グレーのトップコートが剥がれ、見えている下地が本当の【防水層】です。
グレーの塗装部分は、この防水層を守っている【被膜】になります。

ちょっとではありますが、下地が丸見えになってしまうのは良くありません。
この部分だけでもトップコート被膜をきちんと塗って、下地を保護する必要があります。

FRPのトップコート塗装が剥がれがある

 

2-3. FRPの表面塗装に経年劣化が生じている場合

前の項目から、FRP防水は下地の防水層とそれを守るトップコートの保護被膜で出来ているという事が分かって頂けたと思います。

すると当然ですが、どんなFRP防水でもトップコート保護被膜が自然と経年劣化してしまう時期がやってきます。
それがこのパターンです。

グレー色の中にキツネ色の部分が見えて来たら要注意です!
それがFRP防水の下地になります。(矢印部分)
FRP防水のトップコート全体が劣化して下地が見えているバルコニーの床

自然の経年劣化でこのようになるには、FRP防水を施してから20年程度掛るようです。
しかも、太陽光が床面に直接良く当たるような環境でしょう。

 

摩耗による劣化

また、自然な経年劣化の範囲には【摩耗】も入ります。

バルコニーはお洗濯物を干す場所でもあり、通常サンダル的な履物をはいて外に出ます。
その履物を置いてある場所の廻りはサンダルの脱ぎ履きで擦れてFRPの表面を摩耗させてしまいます。

  • お洗濯を良くされるご家族構成
  • サンダルの裏側の素材(そんなにザラザラしているものがあるとは思えませんが…)
  • サンダルの履き方や歩き方

これらの要因があるかとは思いますが、これらは中々防げるものではありませんね。
ですからバルコニーの履物が置いている廻りを見たときに、擦れて下地が見えていたらメンテナンスの時期だと諦めてください。

 

2-4. FRPの表面塗装がヒビ割れている場合

バルコニーFRP防水の表面がヒビ割れている場合、以下の事例程度の軽微な場合以外だと、今回のトップコート塗り替えでは対応が出来ませんので、注意してください。

軽微なヒビ割れ(全面)

経年劣化の症状として捉えられがちなヒビ割れですが、厳密に言うと多くが経年劣化では無く工事の不具合のジャンルになります。
※ただし、施工会社へのクレームを言える程では無いので、ここでは「仕方が無い不具合」というグレーゾーンのジャンルにしておきます。

さて、下記写真のようにバルコニー全面に細かいヒビがある場合には、大抵ヒビに伴った剥がれがあるはずです。

そのままにしておくと、このヒビが前面に広がってしまいます。
そうなればトップコート塗装以外の大掛かりなメンテナンスの方向になっていきます。

このようなヒビや剥がれを見つけたら、剥がれが多くならないうちにトップコート塗装を行うようにしましょう。

全面にヒビ割れと剥がれが点在しているFRP防水

 

一部のヒビ割れ(隅)

FRP防水にヒビが入っている

さて、今回の事例で一番多そうなのがこの写真のような不具合劣化です。

このような立ち上がりの角部分のみの剥がれの場合は、トップコートを厚く塗り過ぎたことが原因です。

酷い場合はヒビ割れでは無く、トップコートがバリバリ剥がれている事も。
その場合は今回の処置(塗替え)では済まなくなって来ますので、注意して確認してみて下さい。

 

3. FRP防水のトップコートの塗り替え工事の方法

上記のような比較的軽微な劣化状況で塗り換えておくのがFRP防水の改修方法としては一番ベーシックなものです。

そんな【トップコートの塗り替え塗装】を工事の工程順に解説します。

 

3-1. FRP防水の見積り診断

この現場では、2階のベランダにも屋根がありFRP防水で出来ています。
ハシゴを掛けて確認に行くと、2つの似た黒ずみがありました。

よく見ると似たように見える黒ずみですが、奥の方は単なる汚れです。
ただ、手前の方はFRPのトップコート塗装が剥がれて下地が出ていました。

この程度の剥がれならトップコートの塗り替えでも対応が可能と判断して工事を開始します。

※バルコニーや屋根の大きさとハガレの大きさと数によってはFRPのガラス繊維の補修が必要になる場合もあります。

FRP防水のトップコートを行う場所FRP防水のトップコートを行う場所

FRP防水のトップコートを行う部分FRP防水のトップコートを行う部分

見間違いやすいFRP防水の剥がれと黒ずみこの屋根は室内から行けず、梯子を掛けて見に行かないと確認が出来ない。

FRP防水の下地の剥がれ剥がれてしまった原因は経年劣化ではなく厳密には施工不良です。

 

3-2 . 高圧洗浄

FRP防水トップコートの塗替え手順①高圧洗浄

FRP防水トップコート塗り替えの手順
①高圧洗浄まずは高圧洗浄で汚れを落として塗装する面を綺麗にします。

 

3-3. 電動グラインダーによるFRP表面研磨・目荒らし(ケレン)

FRP防水トップコートの塗替え手順②表面研磨

FRP防水トップコート塗り替えの手順
②電動グラインタ゛ーによるサンディング研磨(FRP表面の目荒らし・ケレン)この後塗るプライマー(JU-70)を使えばこの工程は不要という事になっています。では、なぜこの工程を行うかと言うと、以下の3点の理由があります。

  • 剥がれている所の周囲を削らなければいけない
  • 剥がれ掛っているところが他にもある可能性があるので確認しなければいけない
  • 手間を省くより確実な工事を行うため

 

3-4. アセトン拭き掃除(油膜取り)

※アセトンは揮発性が高く強い引火性があり、危険物として取り扱いが定められているため簡単には買えませんから、DIYであればこの工程が出来ないのは仕方ありません。

しかし以下のような業者だと上記の研磨とこのアセトン拭きの工程を省いてしまいがちです。・・・

  • 安価で請け負う営業マンに工事をさせられる下請け業者
  • 経験が無く安易に請け負う工事業者

「料理でも工事でも下地(段取り)が大切」と言うように、この工程を省くと後で剥がれの原因になります。

FRP防水トップコート塗り替えの手順 ③アセトン拭き掃除

FRP防水トップコート塗り替えの手順
③アセトン拭き掃除FRPの表面にあるワックスの油膜成分をアセトンで拭き取ります。しっかり取らないとプライマーを塗っても剥がれてしまうので、重要な作業です。

 

3-5. プライマー塗装 ジョリエースJU-70

FRP防水トップコート塗り替えの手順 ④プライマー塗装 ジョリエースJU-70

FRP防水トップコート塗り替えの手順
④プライマー塗装 ジョリエースJU-70①②③の工程で下地が出来たら、塗装の工程です。
塗り替え専用のプライマーを塗ります。※プライマーを塗ったら、当日中に次のトップコートを塗らなければいけません。

 

3-6. トップコート塗装 ジョリエースJE-2090

FRP防水トップコート塗り替えの手順⑤トップコート塗装ジョリエースJE-2090

FRP防水トップコート塗り替えの手順

⑤トップコート塗装 ジョリエースJE-2090
プライマーがよく乾いてから、やっとトップコート塗装の工程です。

トップコートの塗料は各種ありますが、花まるリフォームでは、主に新築時と同じ塗料を使う【本格施工】です。

 

【本格施工のメリット:寿命が長い、次回も同施工が可能】

【デメリット:工事が難しい・少々高価】


 

同じメーカーで塗り替え用のトップコートとしてJU-280という水性塗料の【簡易施工】もあります。

【簡易施工のメリット:工事の容易さ=安価

【デメリット:寿命が短い、次回の施工で本格施工に戻せない】

 

 

4. FRP防水トップコート塗り替え・完成

バルコニーや屋上床面のFRP防水トップコート塗り替え工事の完成事例です。

ここは2階のバルコニーの屋根部分なので、3階のバルコニーの床と同じ環境です。
2階のバルコニー床とは違い、紫外線劣化が激しい部分なので短めのメンテナンスが必要になります。

FRP防水トップコート塗り替え・完成ジョリエース

FRP防水トップコート塗り替え・完成ジョリエース

FRP防水トップコート塗り替え・完成ジョリエース

FRP防水トップコート塗り替え・完成ジョリエース

 

 

5. バルコニーFRP防水のメンテナンス まとめ

バルコニーFRP防水のメンテナンス改修工事にも、いくつかの方法や工事のグレードがあります。
それにより規模や手間の掛り方にも違いがあり、当然工事価格にも反映されるもの。

そして見積りを取ったとしても、皆様にはその工事の内容や違いが分からないので、比較検討が適切に出来ない…と言うのが本当の所だと思います。

 

今回の記事が参考になれば、まずは自宅のバルコニーの床がどんな状態なのかの判断が出来ます。

劣化の状況が以下の場合は、メンテナンス工事は一番ベーシックな「トップコートの塗り直し工事」です。

  • 全く剥がれていないが表面の劣化・退色がある
  • 少々の剥がれがある

ただし、この工事による表面保護のやり直しでも5回の工程が必要です。

これが、雨漏りしている場合や表面が激しく剥がれている場合では5工程では終わらずに、防水工事以外にも雨漏り箇所の修理(大工工事)も必要になって来ます。

 

今回のように状況に応じた適切なメンテナンスを行うことが家を長持ちさせるコツになりますので、適切な工事の設計(見積り)が出来る業者を選ぶ参考にしてみて下さい。

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花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。
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