コケの生えやすい外壁の種類と特徴とは?

コケ汚れ

一般住宅の外壁には、いくつもの種類がありますが、新築の時に「コケの生えやすさ」で外壁の種類を選ぶ方はあまりいないと思います。
数年経った後でコケが目立ってきた時に初めて「何でウチの外壁にはご近所よりもコケが生えてしまうのだろう?」と気が付くことが多いようです。

なぜ築年数が一緒でもコケの生えてしまう家とそうで無い家があるのでしょうか。
それは環境的要因もありますが、そもそも外壁の種類によって「コケの生えやすい外壁」と、「コケの生えにくい外壁」があるからです。

その法則を簡単に言うと・・・

  • コケの生えやすい外壁・・・艶消し塗装の外壁
  • コケの生えにくい外壁・・・艶有り塗装の外壁

・・・となります。

ただ、皆さんにはどの外壁が「艶有り」か「艶消し」か、ちょっと判別しにくいと思います。

そこで以下の写真を見ながらご自宅の外壁がコケの生えやすい外壁なのかどうかを確認してみて下さい。

コケの生えやすい【艶消し外壁】とは?

石粒が砂壁状になっている外壁

石粒が砂壁状になっている外壁

石粒がパターンを作っている外壁

石粒がパターンを作っている外壁

コケの生えやすい外壁は艶消し外壁です。
艶消し外壁の特徴をまとめると以下のようになります。

  • 表面に石の粒がある(ザラザラしている)
  • 触ると痛い
  • 水を掛けると染み込んでしまう
  • 汚れやすいという誤解がある
  • チョーキング現象が起きない
  • コケが生えやすい

実は都内近郊で建っている新築住宅では艶消し外壁の方が多い気がします。ですからコケが生えているのが気になって外壁塗装を検討する方は今後も増えていくと思います。
では、コケの生えやすい「艶消し外壁」の代表的な2種類の塗料をご紹介しましょう。

コケの生えやすい艶消し外壁 ①ジョリパット

「ジョリパット」というのは一般名称やカテゴリー的に使われることもありますが、実際はアイカ工業の外壁材の商品名です。
その他のメーカーも同様の製品を出していますがこのカテゴリーの元祖なので一般名称的に「ジョリパット」と呼ばれています。(※他には「エスケー化研のベルアート」や「菊水化学のグラナダ」などがあります)

ジョリパットの大きな特徴は【艶が無い】こと、そして【多くの風合いやパターンが可能なところ】です。そのため玄関廻りや外壁の角などにアクセントとして使われたり、ジョリパットの違うパターンを組み合わせて外壁をデザインすることも多いです。

パターンが多すぎるので、これが「ジョリパット外壁です」と示しにくいのも特徴なので、少し多いですが下記写真を参考にご自宅の外壁と似たものがあるかご確認ください。

ジョリパットリップル
ジョリパット:リップル
ジョリパット校倉
ジョリパット:校倉
ベルアートグラス押さえ
ベルアート:グラス押さえ
ジョリパットゲラーデ
ジョリパット:ゲラーデ
ジョリパットアヤメランダム
ジョリパット:アヤメランダム
ジョリパットワイルドランダム
ジョリパット:ワイルドランダム

 

コケの生えやすい艶消し外壁 ②・リシン吹き付け

リシン吹き付けは、外壁の吹き付け材として最も歴史のある仕上げ材です。
ジョリパットと違い、リシン吹き付けは「細かい石粒が均一に吹き付けてある」という1パターンなので分かりやすいです。
(ただしジョリパットで「リシン吹き付け風」のパターンもあります…)下記写真を参考に、ご自宅の外壁がリシン吹き付けなのか確認してみて下さい。

リシン吹き付け

リシン吹き付け

リシン吹き付け(拡大)

リシン吹き付け(拡大)

艶消し外壁にコケの生える理由

では、艶有りの外壁と比べて艶消しの外壁には、なぜコケが生えやすいのかを簡単に解説しましょう。

艶消し外壁の特徴は、「石粒と塗料」が混ざっている点です。石粒と石粒の間には若干巣穴があり、雨水が奥に浸透します。浸透した水分は「呼吸をするように」出たり入ったりします。
つまり、艶消し外壁の最大の特徴は、雨水を弾かない点です。

よく、水を弾かないと雨漏りしてしまうのでは?というご質問を受けます。しかしそうであれば今建てている新築で採用されることは無いはずですね。実際には壁の中に入っている透湿防水紙との組み合わせによって防水の設計が考えられています。(外壁にヒビが入ってもすぐ室内に雨漏りしないのは、この防水紙のおかげです)

コケの生えやすい条件外壁に主にコケが生えやすいのは主に北側の外壁になります。
そしてさらに、以下のの条件が揃ってしまう場合にコケが生えやすいようです。

  • 軒先が無い建物だと、雨水や水分が外壁に直接当たり、水分が沢山吸収されなかなか乾かない
  • 樹木が近くにあると、毎日放出される水分で雨が降っていなくても外壁が濡れてしまう
  • 北側など風通しの悪い部分では湿気がこもってしまう
壁

外壁の北側一面にコケが生えてしまっている例

室外機

エアコンの室外機に跳ねた雨水が外壁を濡らす場所

選択肢は2択:コケを取るか風合いを取るか?

いかがでしたでしょうか。
築10年~15年程度の外壁塗替えを検討される時期のお家では、ジョリパットを使った艶消し外壁のお家が多いようです。
環境によってコケが生えてしまうお家もあれば、すぐ隣のお家では全く生えていない・・・といったこともあります。

このコラムは実際に花まるリフォームで塗り替えをご検討されているお客様にお伝えすることをまとめてあります。
この部分までお伝えして、後はお客様のご判断でどちらの艶で塗るかをご検討頂きます。

その結果、艶消し外壁を再度選ばれていた方たちは、おおむね以下のような基準で選ばれていました。

  • どうしてもピカピカした外壁が嫌な場合
  • また10年程度でどうせ塗り替えるのだから、今までと同じ風合いが良い場合

コケか?風合いか?
どちらを取るかの2択で選んで頂くようにはなりますが、ここまでお話しするときちんと納得して選ぶ事が出来るのではないかと思っています。

是非参考にしてみて下さい

 

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投稿者プロフィール

高橋 良一
花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。