コケが付きにくい外壁にするには?

コケの生えにくい外壁

外壁塗装のきっかけの中でもトップ3に入る「コケ汚れ

家の向きや風通し、樹木などの環境は変えられませんが、外壁を塗り替える時には塗料を選べます
せっかく外壁の塗替えを行うなら「今度はコケの生えないような塗装にしたい」ですね。

ただ、コケの生えにくい外壁で塗ると、少なからずデメリットになることもあります。
そこで今回は、コケの生えた外壁を塗り替える時に、コケが生えにくくするポイントや注意点について解説をしていきます。

その点も注意して読んでもらえれば、塗料選びの失敗も無く満足いく外壁の塗料選びが出来ますので是非参考にしてください。

(※注…このコラムでは「コケ」と表記していますが外壁の緑色の植物は地衣類」という菌類と藻類の共生生物で、実際にはコケとは違います。
詳しくは→Wikipedia「地衣類」をご参照ください)

  • 外壁にはコケが生えやすい外壁と、生えにくい外壁がある
  • コケが生えやすい外壁でも、コケが生えにくい塗料を塗ることで生えにくくする事が出来る
  • コケが生えにくい外壁塗料を塗ることで、場合によってはデメリットもあるので注意する
  • 築10年で家の外壁がコケだらけになってしまって困っている方
  • 家の北側が玄関で、コケが生えて目立ってしまい困っている方
  • ご近所でコケの生えている家と生えていない家があり、不思議に思っている方

コケの生えやすい外壁と生えにくい外壁

家を買う時・建てる時に、「コケの生えやすさ」で外壁の種類を選ぶ方はあまりいないと思います。

数年経った後でコケが目立ってきた時に初めて「外壁にコケが生えて嫌だなぁ…」と思うものです。

なぜ外壁にはコケの生えてしまう家とそうで無い家があるのでしょうか。
それは外壁の種類によって「コケの生えやすい外壁」と、「コケの生えにくい外壁」があるからです。

その法則を簡単に言うと・・・

  • コケの生えやすい外壁・・・艶消し塗装の外壁
  • コケの生えにくい外壁・・・艶有り塗装の外壁

・・・となります。

では、以下の写真を見ながらご自宅の外壁が「艶消しの外壁」なのか、「艶有りの外壁」なのかを確認してみて下さい。

コケの生えやすい【艶消し外壁】とは?

艶消しの外壁の名称は主に以下の2種類です。

  • ジョリパット外壁
  • リシン吹き付け外壁

コケの生えやすい外壁の特徴

  • 表面に石の粒がある(ザラザラしている)
  • 触ると痛い
  • 水を掛けると染み込んでしまう
  • 汚れやすいという誤解がある
  • チョーキング現象が起きない
  • コケが生えやすい

外壁にコケの生える理由

では、ジョリパットやリシン吹き付け等の「艶消しの外壁」には、なぜコケが生えやすいのかを簡単に解説しましょう。

  • 艶消し外壁の特徴は、「石粒と塗料」が混ざっている
  • 石粒と石粒の間には若干巣穴があり、雨水が奥に浸透する
  • 浸透した水分は「呼吸をするように」出たり入ったりする
艶消し外壁の最大の特徴は、雨水を吸ってしまうという点

艶消し外壁への誤解

ただし、水を弾かないと雨漏りしてしまうのでは?と思われがちですが、それは違います。

そうであれば今建てている新築で採用されることは無いはずですね。
実際には壁の中に入っている透湿防水紙との組み合わせによって防水の設計が考えられています。(外壁にヒビが入ってもすぐ室内に雨漏りしないのは、この防水紙のおかげです)

また、艶消し外壁なら必ずコケが生えるわけではありません。
艶消し外壁でも、コケがほとんど生えずさらに汚れも目立たないで長く塗り換えの必要性を感じないお家も沢山あります。(それはそれで、メンテナンスの期会を逃してしまい問題がありますが…)

艶消し外壁でもコケが生えない家も沢山ある

 

コケの生えにくい外壁は「艶有り」

結論は既にお伝えしてありますが、コケが生えにくい外壁は「艶の有る外壁」です。

下記写真を参考に、ご自宅の外壁がそもそも艶有り外壁だったのかを確認してみましょう。

コケの生えにくい「艶有り外壁」の種類

吹き付けタイル(押さえ柄)

吹き付けタイル(押さえ柄)

雨水を弾く「防水型」の吹き付け塗装の代表格です。
20年~30年くらい前に大流行しました。
「タイル」と言っても「磁器タイル」とは別物です。

吹き付けタイル(吹き放し柄)

吹き付けタイル(吹き放し柄)

吹き付けの粒を小さく調整した小粒柄。
基本は「押さえ柄」と同じです。

サイディング外壁(クリヤー塗装)

サイディング外壁(クリヤー塗装)

サイディング外壁(単色塗装)

サイディング外壁(単色塗装)

コケの生えにくい外壁に変更した時の注意点

艶消し外壁を艶有り外壁に変更する時には、コケが生えにくくなる以外にも、今までと違う特徴に変わることになります
ある部分では、艶消し外壁のメリットを捨ててしまう事でもあるのです。

その艶消し外壁のメリットを諦めて艶有り外壁を塗る事で、コケの生えにくい外壁にする事が出来ます。

ではまず、艶有り外壁に変更した時のメリットからお伝えしてみましょう。

 

艶有り外壁のメリット

艶消し外壁から艶有り外壁に変更した例

艶有り外壁のメリットとはどんなものがあるのでしょう。

  • 雨水を弾く
  • コケが生えにくい
  • 洗浄機等があれば洗える
  • 雨で汚れを洗い流せる
  • 壁が輝いて気持ち良い
  • 色にメリハリが付きくっきりする

このように艶有り外壁の魅力は、何と言っても雨水を弾き染み込ませない事です。

艶有り外壁に変更した時のデメリット

そして、艶消し外壁を艶有り外壁で塗った後で変わってしまう部分もお伝えしましょう。
ここまで理解しておけば、メリット・デメリットを考慮して後悔の無い選択が出来るでしょう。

  • 太陽が当たるとキラキラ・ピカピカと壁が光って見えるようになる。
  • 雨水で外壁は洗われるが、窓枠の下には雨の汚れ筋が付いてしまう。
  • 光線の具合によって、壁の陰影が目立つようになる(塗装ではなく、モルタルの凹凸ムラが目立つ場合がある)以上の3点が艶消し外壁から艶有り外壁に変わった時に「今までと違う!?」と気が付く部分です。
    これらの部分を知っておけば安心です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
築10年~15年程度の外壁塗替えを検討される時期のお家では、ジョリパットを使った艶消し外壁のお家が多いようです。
環境によってコケが生えてしまうお家もあれば、すぐ隣のお家では全く生えていない・・・といったこともあります。

このコラムは実際に花まるリフォームで塗り替えをご検討されているお客様にお伝えすることをまとめてあります。
この部分までお伝えして、後はお客様のご判断でどちらの艶で塗るかをご検討頂きます。

その結果、艶有り外壁に変更して塗り替えられる方は以下のような感じです。

  • コケが生えるのが何が何でも嫌な方
  • 外壁がピカピカした感じになっても、あまり気にならない方

逆に艶消し外壁を再度選ばれる方は以下のような感じです。

  • どうしてもピカピカした外壁が嫌な方
  • また10年程度でどうせ塗り替えるのだから、今までと同じ風合いが良い方

コケか?風合いか?
どちらを取るかの2択で選んで頂くようにはなりますが、ここまでお話しするときちんと納得して選ぶ事が出来るのではないかと思っています。

是非参考にしてみて下さい。

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投稿者プロフィール

高橋 良一
花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。