外壁塗装で行う「塗装以外のメンテナンス」
外壁塗装とペンキ塗り替えの違いとは
まず初めに、どのサイトや情報でも言われている「外壁塗装の目的」は以下の4項目となっています。
- 外壁の表面保護・塗膜の再生(コーティング)
- 汚れてしまった外壁の美観の再生
- 色の変更・デザインの変更
- 機能付き塗料による付加価値の追加(遮熱塗料など)
ただ実際には、一般的に言われている上記の美観の維持と保護、性能を持たせることは「ペンキの塗り替えの目的」です。
「外壁塗装工事」を、足場を掛けて外壁のメンテナンスをする工事という意味に捉えると、あと一つ必要な工事が欠けています。
それは・・・
雨漏りや外壁の不具合の兆候を発見し、適切なメンテナンスをすることです。
今回はそんな外壁塗装で行う「塗装以外のメンテナンス」についてお伝えします。
花まるリフォームが花まるペイントでは無い理由
実は「花まるリフォーム」が「花まるペイント」では無い理由もそこにあります。
確かに「花まるペイント」の方が外壁塗装専門店として分かりやすい名前です。
しかし「外壁塗装で外壁のメンテナンスを行う会社」という意味では「花まるペイント」だとふさわしくありません。
そこで上記の4項目+「家を守るメンテナンスもしますよ」という意味で「花まるリフォーム」としました。
また、足場を掛けた時にしておきたい「塗装ではないついでの工事」も考えておかなければなりません。
これも大きな意味では「外壁塗装の目的」に含まれます。
つまり、外壁塗装の目的は「ペンキの塗り替え」以外にもあり、下記の3種類の工事が必要になります。
1・ 一般的な【外壁塗装の目的】
まず初めに、どのサイトや情報でも言われている、一般的な外壁塗装の目的についておさらいしてみましょう。
外壁塗装の目的① 外壁の表面保護膜の・再生(コーティング)
新築時に施されていた外壁表面の保護コーティング(ペンキ)も、築10年を過ぎると劣化が進み耐久年数を超えてしまいます。
見た目に色が付いているようでも塗料の寿命は尽きているのです。
塗装が劣化していくと、次第に奥の外壁素材そのものに雨水や太陽光線が直接当たってしまい「割れ」や「剥がれ」などの損傷起こり始めます。
「再塗装」の目的として一番一般的なのがこの部分です。
外壁塗装の目的② 汚れてしまった外壁の美観の再生
外壁塗装を考えるきっかけとして一番多いのが「汚れた・色の褪せた外壁を綺麗にしたい」というもの。
そして汚れが気になる場所は下記のようなところです。
北側の緑の汚れ(コケや藻だと言われています)
窓枠から下への雨スジ汚れ
南側・西側外壁の変色・退色
また、ヒビが入って見える・ペンキのハガレが見えるなど…は美観的にも気になるところです。
外壁塗装の目的③ 色の変更・デザインの変更
外壁塗装を行う際に「楽しいこと」と言うと、ここになります。どんな色にしようか?という部分は、ワクワクするものです。
ただし、「思った色にならなかった・・・」など、選んだ色のイメージが塗り終わった外壁とピッタリいくかはドキドキになります。
外壁の色は現在の外壁と同じ色塗って新築当時のイメージに戻すうことも、今とは違う色で塗って気分を変えることも可能です。極端な話、現状の外壁色が白くて今回塗る色を黒にする場合でも、次に白く戻す事も可能です。
また、最近多いパターンでは、今までは外壁の色は1色だったところを2色に塗り分けてツートンにすることも、場合によっては可能です。
外壁塗装の目的④ 機能付き塗料による付加価値の追加(遮熱塗料など)
塗料の新開発が進み、最近ではプラスアルファの機能が付いた塗料もあります。
その中でも現在一番メジャーなものは、塗装面が今までの塗料より暑くならない機能で「遮熱塗料」です。
遮熱塗料と似た機能で「断熱塗料」というものもあります。
その他、下記のような色々な効果付いた塗料が各種発売されています。
- 光を反射させて室内をより明るくさせることが出来る塗料
- 屋根の雪が滑りやすくなる塗料
また、ホビー用ペイントにはさらに楽しい機能付き塗料が色々あります。
- 黒板塗料(チョークボードペイント)
- 磁石が付くようになる塗料(マグネットペイント)
- 塗った後でひび割れたように見える塗料(クラッキングメディウム)
2・ 実は一番大事な【外壁塗装の目的】
次に、ペンキを塗る前の点検や、塗りながら確認していく「本当の外壁塗装の目的」についてお伝えします。
外壁塗装の目的⑤ 不具合箇所の早期発見・補修と予防
外壁塗装工事で一番重要な工事の項目がここの、不具合箇所のの早期発見・補修と予防です。
外壁塗装工事では足場を作って外壁の高い所や屋根等をくまなく何度も触って行きます。
その際にお客様が気付けない劣化や雨漏りを発見する事が出来るのです。
これは外壁塗装の時にしか出来ません。
当然塗装の前に行わなければなりませんので、この部分がおろそかになってしまうと、いくら高級な塗料を塗ったとしても意味がありません。
モルタルの外壁ではヒビ割れを埋めたり、サイディングの外壁では目地の交換が代表的な工事になります。
これらの不具合を見つけ、外壁素材の損傷を食い止める事が外壁塗装の最重要課題です。
もちろん劣化が進んでいる場所は補修工事を行わなければなりません。
それ以外にも屋根や高いところなど、普段見えない部分の劣化を見つけ、手遅れにならないうちに適切な修繕をすることが大切です。
「ペンキの塗り替え工事」では不具合を発見出来ない事も多い
- 不具合が起きている部分を見つけること
- 不具合に繋がる部分を見つけて処置を施しておく事
これらは、その視点がなければ見つけることが出来ないので、経験と勘が必要になります。
そして、ここがポイントなのですが、不具合の補修工事は簡単には直らないことが多く、見てみぬふりをしてしまう業者が多いのです。
また、そもそも不具合が起きつつある部分を発見することすら出来ないがほとんどかもしれません。
特に築15年以上何もしていない建物では、気付いていないだけで下記の部分に不具合が起きているケースが多くなりがちです。
- 外壁の見えないところのヒビ割れ
- 屋根の天辺にある板金
- 雨どいの傾斜不良
- バルコニーの防水の劣化
この部分のチェックは花まるリフォームでは入念に行うので見積り時になるべく判断しています。
ただ、実際の見積りでよくあるケースでは、他社の見積りではバルコニーの床をチェックしない、屋根に上がらない・見ない業者が多く、花まるリフォームの見積り診断により初めて不具合が発見されることが多いです。
3・ 外壁塗装と同時に考えなければ損をする「ついでの工事」
最後に、塗装工事とは関係が無けれど、足場がある時にしか出来ない「ついでの工事」には下記のようなついてもお伝えします。
雪止めの設置・追加
屋根に雪止めが付いていない場合は、後から付ける事が出来ます。
工事は板金屋さんが担当します。
後付けの雪止めはこんな形
スレート瓦に雪止めを差し込んで固定します
不用なアンテナの撤去
テレビアンテナが地デジに代わった時に、古いアンテナを撤去せずに残したままになっています。
屋根の上に不要なモノが乗っていると落下の危険があるだけで、良い事は1つも有りません。
このように1つの柱に複数のアンテナが付いている場合には、大抵は一番上の大きなアンテナが不要なアンテナです。
ケーブルテレビや光回線テレビを利用するようになると、こちらのように古いアンテナがほったらかしになっている場合も多いです。
雨どいのごみ掃除
雨どいの中には周囲の枯葉やゴミが詰まっている場合もあります。
ゴミが詰まっていると雨水が排水さずに溢れ落ち、真下の壁等に降り落ちて雨が降る度にビショビショになります。
雨どいがある意味は、そのような雨水の跳ね返りにより建物下部が濡れて劣化するのを防ぐ為です。
枯葉の詰まった雨どい
高圧洗浄の時に雨樋の中も一緒に掃除します
雨どいの交換
雨どいの交換には必ず足場が必要です。
外壁塗装と同時に雨どいの交換を行えば、足場代が兼用出来ます。
雨どいの交換目安は25年なので、2回目の外壁塗り替えの時に交換する事が多いです。
雨どいの寿命を決めるのは、本体よりも吊り金具の多さと素材です。
1つ1つの吊り金具の間隔は60センチでは無く45センチだと壊れにくく頑丈に出来ます。
錆びないステンレスの金物を使い、ビスでしっかり留めて行きます。
天窓や窓ガラスの交換
天窓の交換にも足場が必要です。
屋根瓦を剥がさなにといけないので、専門の技術が必要です。
足場が必要な部分ではありませんが、玄関ドアやガラスの交換も行いたい場合があります。
テラス屋根の清掃・点検・交換
バルコニー・テラスの屋根の新設やメンテナンスを行うにも足場が必要です。
最近は台風の被害も多く、足場が有って出来る時に必要なことは行っておく事も大切です。
これらは確かに外壁塗装の目的とは言えませんが、足場が必要な部分の工事であれば要不要の提案や確認はして欲しいものだと思います。
4・ まとめ 見積りの丁寧さが工事の質に直結する
このように「外壁塗装」というものの、実際に行いたい工事は以下のような部分になります。
外壁塗装=足場を建てなければ出来ない、家の外部のメンテナンス工事
少々ややこしいですが、塗装だけを考えていると全体のメンテナンスにまで目が行き届かないものです。
そして、塗装だけでなく全体のメンテナンスのチェックを行うには見積り時の丁寧な診断とチェックが必要になります。
見積りはメモが大事 |
写真でのチェックも必要 |
屋根の上もチェックしたい |
実際にはチェックしたくても足場がありませんので目視で確認出来る部分は限られます。
さらに目視出来ても触ったり叩いたりして「触診」を行ってチェックできる部分はさらに限られてしまうのです。
それを時間を掛けずに15分程度で確認を済ませたり、屋根を見もせず見積りをするのであれば、その見積り自体が「手抜き見積り」だと思います。
お客様自体がこの部分のチェックをする必要は無いのですが、外壁塗装の見積りを取る時には業者が見積りをしている様子やメモを見せてもらうと良いでしょう。
見積りの丁寧さ以上に工事は丁寧に出来ません。
どの程度の精度で見積りチェックをしているかで、ペンキの塗り替え工事だけをする業者なのか、総合メンテナンスとしての外壁塗装をする業者なのかは判断できると思います。
また同時に、工事の丁寧さや信頼度も推測できるのではないでしょうか。
投稿者プロフィール
- 花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。
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