チョーキングの「正しいチェック方法」とは?

正しいチョーキングのチェック方法

外壁塗装の目安として有名な「チョーキング」

しかし、その「正しいチェック方法」については意外と詳しく伝わっていない事が多いようです。

正しいチェック方法を知らずに間違ったチェック方法で判断してしまうと何の意味もありません。

しかも、見積りをしに来る業者の中でも半数以上は、この「正しいチェック方法」を知らないで素人同然の判断を行っています。

 

実は「正しいチョーキングのチェック方法」とは言っても、あるポイントを知ってしまえばそんなに難しい事ではありません。

そのポイントとは以下の3点です。

  • チョーキングをチェックするのには適した場所と適さない場所がある
  • なぜチョーキングが起きるのか?を少し知っておく
  • いくら擦っても・何年経ってもチョーキングしない外壁もある

具体的に解説していきますので、ご参考になさって下さい。

 

チョーキングとは

 

チョーキングとは、ペンキを塗った後の表面劣化のサインです。
(黒板に書いたチョークを手で触ると手にチョークの粉が付くのが語源です)
経年劣化した外壁や塗装面を触ると、手や衣服に塗料の粉が付く事があります。
これをチョーキング現象と言います。

一般的には「現象」の部分を略して、「チョーキングしている」という使い方をします。

外壁のチョーキング

チョーキングを確認するのに良い場所・悪い場所

よく「ウチはまだチョーキングしてないわ」と北側の玄関先などの外壁を触って確認している方がいます.

しかし太陽が当たらない(劣化しにくい)場所はチョーキングが起きにくいので確認の場所としては適していません。

メンテナンスの基本は、一番傷んでいる部分を基準にすることです。
戸建て外壁で一番条件が厳しい部分は、屋根の無いバルコニーの外側です

 チョーキングの確認をする場合は、南側の2階が良い!

日当たりの良い場所はチョーキングしやすい

 

チョーキングを確認する場所の手順

ただし、チョーキングした粉に直接雨が当たるような環境だと、雨水に流されてしまいチョーキングしていても確認できない場合があります
チョーキングは劣化のサインですから、雨で洗われてしまえばOK!というわけにはいきません。

チョーキングを確認するなら、以下の順番を参考にしてみて下さい

  1. 最上階のバルコニーの外側(南向きか西向き)
  2. 上記バルコニーの外壁面(窓の横辺り)で太陽のよく当たるところ
  3. 西日のよく当たる2階以上の部屋で、窓から手の届くところ
  4. 1階の南側の外壁で太陽のよく当たるところ

 

チョーキングを早める3つの原因

塗料の寿命でチョーキングは起きますが、それ以外にも不適切に早くチョーキングが起きてしまう場合もあります。
それは主に下記の3つが考えられます。

  • チョーキングしやすい塗料を塗ってしまったこと(安い塗料・不適切な塗料を使った場合)
  • 立地条件(太陽光の紫外線を浴びやすい場所など)
  • 塗料の撹拌不足(手抜き?)

 

チョーキングの粉の正体とメカニズム

塗料の中身は主に以下の構成になっていて、チョーキングの粉はこの中の【顔料】です。
※分かりやすく説明するために簡略化しています

  • 樹脂(塗料の主成分・寿命にも大きく関係する)
  • 顔料(色の元になる成分)
  • 添加剤(塗料の性質を補助する成分)
  • 溶剤(薄め液:水やシンナー)

塗料の「被膜」のメインはこの樹脂で、顔料は色の元になるものです。

 

チョーキングが外壁塗り替えのサインになる理由

 

では、なぜチョーキングが起きて顔料が粉になると、外壁塗装の時期のサインになるのでしょう?

実は塗料の表面の劣化の順番は以下のようになります。

  1. 塗装を行ったばかりの状態
  2. 太陽(紫外線)・雨・風・その他により塗装面が劣化し始める
  3. 塗装の表面の樹脂の劣化が始まるり雨や風に流されていく
  4. 顔料がむき出しになって表面に残る
  5. 接着力の無い顔料は、ただ粉が付いているだけのような状態になり、チョーキング現象が起きる

樹脂は概ね透明なので、それが傷んで→壊され→風や雨に流されてしまっても気が付けません。
体感として分かるのは手に粉(顔料)が付いたチョーキング現象が起きてしまった後です。

ですから、チョーキング現象を確認する事が、樹脂の劣化を知らせるのサインになるのです。

表面に残っている顔料は「色付けの担当」なので寿命に関わる仕事は出来ません。

チョーキングが起きている塗料の表面は防御する機能が無く、寿命が尽き掛かっていると言えるのです

 

チョーキングの具体例

 

モルタル外壁のチョーキング

チョーキング チョーキング

モルタル外壁のチョーキング
触るとると手につくだけでなく、触った跡が壁に残るほどの退色を起こしてしまうこともあります。
この程度まで劣化が進んでいる場合は塗り替え時と言えるでしょう。

 

サイディング外壁のチョーキング

チョーキング チョーキング
チョーキング サイディング外壁のチョーキングが擦られているところ

外壁塗装は劣化が進んでいて、木の葉で擦った部分の壁だけチョーキングした部分を拭き取っています。

このように、チョーキングすると表面が白く変色するだけでなく、粉になって外壁から剥がれて飛んで行ってしまいます。
つまり、塗料の成分が減って、膜が薄くなってしまうのです。

 

外壁以外の場所のチョーキング

アルミサッシのチョーキング

チョーキング チョーキング

アルミも工場で塗装しているので、劣化するとチョーキングします。

白い塗装をしてあるアルミサッシの場合は、15年程度以降でチョーキングが起こるケースが多いですが、それ以外の塗装色のアルミサッシではチョーキングしてしまったアルミサッシを見たことはありません。

この原因は、塗装色による劣化進行速度の違いによるもので、黒は遅く・白は早く劣化します。

 

破風板・装飾枠など

チョーキング
破風のチョーキングの様子(木部)破風のチョーキングの様子。木部もチョーキングを起こします。
チョーキング
扉のチョーキングの様子(鉄部)とある現場の勝手口の様子で。鉄部も同様に劣化するとこのようになります。

 

チョーキングしない外壁!?

最も知られていない部分はこの項目です。

モルタル外壁に最も多く使われている下記2点の外壁では、チョーキングが起きません。

リシン吹き付け

リシン外壁の艶消し感

リシン吹き付けの表面

リシン外壁の艶感と撥水

ジョリパット

ジョリパット外壁南欧風ワイルドランダムジョリパット外壁には色々なパターン(模様)がある

ジョリパット外壁ブリュームロッシュ ジョリパット灰壁あやめランダムカット

チョーキングしない外壁の注意点

厳密に言うと、これらの外壁でもチョーキングが起きている筈ですが、実際に手で触ってみても痛いだけです。

この外壁でチョーキングによるチェックを行おうとすると…
手に色が付がないので「チョーキングが起きていない=外壁塗装の時期が来ていない」という結果になりますね。

このような間違った判断基準をベースにしてしまうと、リシン吹き付けやジョリパットの外壁は、いつまで経っても外壁塗装の時期が来ない事になってしまうので、十分注意が必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

外壁塗装の適切な時期を知らせてくれるチョーキング現象の「正しいチェック方法」は以下の3点です。

  • チョーキングをチェックするのには適した場所と適さない場所がある
  • なぜチョーキングが起きるのか?を少し知っておく
  • いくら擦っても・何年経ってもチョーキングしない外壁もある

チョーキングは外壁塗装の劣化の目安ではありますが、間違った場所やチョーキングしない外壁でチェックをしても意味が有りません。

ご自宅の外壁塗装の時期を知る目安として、是非ご参考になさって下さい。



 

投稿者プロフィール

高橋 良一
花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。

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