建築家・設計士さんの建てる家に雨漏りが多い理由

建築家・設計士さんの建てる家に雨漏りが多い理由

建築家・設計士さんの建てる家には雨漏りが多い?

随分失礼な言い方ですね…🙇

ただ、少なからずそういった実例もありますし経験もしてきた身として、
なぜ、建築家・設計士さんの建てる家に雨漏りが多いのか?についてちょっと考えてみた訳です。

 

ハウスメーカーの家は?

私の印象ですが、ハウスメーカーの家はデザイン性よりも安全で無難な方に寄っているように思えます。

ハウスメーカーの家は何棟も同じ仕様で建てるので、もしそのシリーズが雨漏りするような事があったら大損害で信用もガタ落ちです。
また、不具合が見つかったらその都度見直しをして改良も出来るでしょう。

ハウスメーカーの家にデザイン性が無いとは思いませんが「丈夫で長持ち」といった条件の元でデザイン性を加味しているように思えます。

 

建築家・設計士さんの家は?

一方、建築家・設計士さんに無難な家を建てて欲しいというオーダーをする人はいません。

必然的にデザイン性を求められる事が多くなってきますし、新商品や新素材を使う(試す)ことも少なくないでしょう。
ありふれたデザインや素材を排除していけば他には無いオリジナルの家が出来ます。

そして、まさに顧客の依頼そのものが「唯一無二のオリジナルな家」です。
オリジナルであるが故に、その設計は二度と建てられる事は有りません。

つまり【何度も作り慣れた建物】であってはいけないのが「建築家・設計士」が建てる家であり、
大工さんを始め、造る職人達も、どうやって工事をしたら良いのか分からない事の連続になります。

当然、工事のミスや失敗も多くなります。

それらが雨漏りに繋がっていくのです。

 

実はもっと多い雨漏りのパターン

ただ、もっと多いのが、「デザイン優先の建売り・分譲住宅」です。

残念な表現になってしまいますが、大手以外の建築会社の分譲建売りでは、敷地に余裕が無い事が多く「よくこんな狭いところに何棟も建つなぁ…」と感心する事が多いものです。

そして、3階建てや、半地下+2階・2階+吹き抜けロフト、といった地形的にも工夫が必要な場合も多く、そんな「頑張って建てたお家」には余裕の無さから来る危険も多くなってしまいます。

さらに、予算が限られていて建築中のチェックは社内だけになる建売りの場合には、責任の所在と未来の危機管理意識が不足しがちなのかもしれません。
デザインの段階で雨漏りの危険が多い建て方でも、それに対する注意喚起が足りなかったり、職人の経験やスキルが足らずに工事の注意事項が守られないと雨漏りに繋がってしまいます。

ひどい場合には、建築中に雨漏りしてしまい新築の時から外壁に補修の跡がある残念なお家もあります。

 

デザイン優先が引き起こした雨漏りの実例

下記の事例は、建物の凹凸部分に雨水除けの板金を付けずに壁材で済ませた事が原因で外壁下地が腐ってしまった事例です。
特殊な雨漏り事例ですが、これだけ下地がボロボロになっていても室内には雨漏りは有りませんでした。
外壁塗装をするのに足場を組んでから、初めて分かり慌てて修理をしました。

防水シートに頼り過ぎたデザイン 雨漏りの特殊な例
防水シートに頼り過ぎたデザイン 長年雨が漏って下地までボロボロに…

 

まとめ

雨が漏るには理由があります。

ただ、実際には「経年劣化で雨が漏る」場合には以下の2種類があります。

  • 経年による雨漏りが起きる事が「あらかじめ分かっている」デザインの家
  • 経年による雨漏りが「予期せぬ不具合」により発生してしまった家

家を建てる時に建築士・設計士さんにデザインや監理を頼む場合には、デザインに偏り過ぎないようにオーダーすると良いでしょう。

 


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投稿者プロフィール

高橋 良一
花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。