天窓の雨漏りとメンテナンス
天窓(トップライト)は屋根から直接太陽の光を室内に取り入れられる「素敵な家」の設備ですね。
しかし実際にはトラブルの種となっている場合もあり、チョット心配な面もあります。
今回はそんな雨漏りの危険が高い天窓のメンテナンスとして、本格的ではないけれど・・・外壁塗装の時にチョットの費用で行得る簡単なメンテナンスをお伝えします。
天窓は雨漏りの危険が潜んでいる?
天窓は「窓」とはなっていますが「屋根」にわざわざ穴を開けている都合上、天窓が無い屋根と比べると雨漏りの危険が非常に高いのも事実です。
車にも屋根が開いたりガラスになっている「サンルーフ」があります。
昔の話ですがトヨタのエスティマのサンルーフ車は雨漏りが多かったと知人から聞いたこともあります。
(最近はあまり流行っていないのかもしれません)
車でも家でも「素敵な快適装備」はほしいものの、「雨漏りのリスク」が付きものであれば、どちらを取るかは難しい選択です。
※さらに天窓は雨漏りだけでなく、結露の発生率も飛躍的に高くなることあります。(今回はその点には触れません)
天窓の天敵は「太陽」と「雨」
当選ですが、天窓は「太陽の紫外線」と「雨水による漏水の危険」にさらされています。
雨水は水を逃がす「雨仕舞い」つまり、雨水をどのようにして流すか?という設計と施工に関わってきます。
これが失敗していると、後から直すのはとてもムリと言えるほど大変です
一方太陽の方は、日々の積み重ねで経年劣化が起きます。
こちらは自然と傷んでくるものなので、定期的なメンテナンスが必要になります。
既に天窓があるお家はどうしたら良いの?
ただ、別に注文して付けた訳でもなく、欲しかった訳でも無いのに最初から付いていた・・・という場合も多いかと思います。
ちょうど築10年~15年位のお家では、サッシメーカーの天窓ユニットの性能が上がり、「ちゃんと施工すれば」雨が漏らないような製品が出来てきました。
(逆に言うと、それ以前の商品は過渡期の天窓だったと言わざるを得ません)
天窓が雨漏りしたら、新築時の工事が原因
天窓で雨漏りしてしまう場合の多くはユニットの取り付け方に問題がある場合です。
つまり、新築時の失敗工事=下手な職人か無知な職人が取付を行ったイマイチな工事が原因であることが多いです。
一般に上記の工事を称して「手抜き工事」と括られてしまいますが、厳密には故意でなければ手抜きに当たらない気もします。
そして、根本的な原因の解決=修理には足場を架けて、天窓の位置までの屋根を剥がさなければ直せません。
1~2年で雨漏りする場合と、10年後に雨漏りする場合の違いとは?
さて、「手抜き」では無いイマイチ工事とはどんな工事かと言うと、直ぐには不具合が起きずに、じわじわ不具合が進行し、経年劣化よりも早く酷く不具合が起きます。
完全に失敗していると、1~2年のうちに雨が漏るので、建築会社に電話すると保証の範囲内で修理して貰えます。
しかし、イマイチ失敗していると、10年を少し超えた辺りでイマイチな部分からの漏水が遂に決壊してしまい、室内にちょっとずつ雨が落ちる時が出始めます。
このタイプの雨漏りが一番厄介で、原因の特定と修理の方法の判断が難しくなります。
10年以降で天窓から雨が漏る場合は、まず散水調査をお行い、原因特定のヒントを探します。
天窓の内側の漏水跡P6170921_350
天窓の内側材木の黒ずみや劣化具合も重要な手掛かりになります。
何も問題無い天窓のメンテナンスはどうしたら?
さてそこで本題です。
10年経っても問題が無い天窓は、何もしなくて良いのでしょうか?
メンテナンスの計画をしっかり立てられていれば、10年経つと外壁塗装の時期が来ます。
外壁塗装の時には足場を架けるので、簡単に屋根天窓のチェックとメンテナンスが出来ます。
そこで、念のため行うと安心なのがガラス廻りのシリコンコーキング=シール工事です。
ガラス廻りのシリコンコーキング
上記の劣化とは違い、雨漏りのケースとしては実は稀な方ですが、天窓のガラス廻りのシリコンコーキングが劣化すると、雨漏りに繋がる場合があります。
シリコンコーキングはガラス周り全体に防水と気密保持のために施してあります。
素材が樹脂(柔らかいゴムみたいなもの)ですので、10年ほどで硬化してしまい本来の性能を保つことが出来なくなってきます。
亀裂や欠損などがない状態でも、おおよそ10年ほど年数を経ていれば表面が紫外線によって白化し、加速度的に劣化が進んでいきます。
天窓コーキング劣化の画像集
一般的な天窓にシーリングがされている場所 |
ガラス廻りのシールの打たれている箇所 |
シールの切れている様子(雨漏りの可能性が高くなる) |
シールの切れた天窓 |
まとめ
屋根に穴を開ける「天窓」には、少なからず雨漏りのリスクが伴います。
そして、天窓から雨漏りする場合の多くは新築時の何らかの失敗です。
その場合の根本的な解決方法は「どこかを埋めて直す」のは難しいでしょう。
屋根を一部でも剥がして失敗部分をやり直すしかありません。
現在雨漏りしていない場合には、出来るだけ不具合が起きないようにガラス廻りのシール(コーキング)を増し打ちしておくのが良いでしょう。
投稿者プロフィール
- 花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。
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