サイディング外壁の【コーキング工事(シーリング工事)】
サイディングの家の外壁塗装を行う時のポイントに【コーキング工事】があります。
【コーキング工事】と言うのは、【目地の交換】と言ったり【シーリング工事】【シール工事】と言ったりします。
(この記事では一括して【コーキング】と記す事にします)
ここでは、サイディングの外壁塗装で必ず必要になる【コーキング工事】についての基本的な知識やポイントについて解説していきます。
- 外壁の外壁塗装を検討中で、サイディング外壁の方
- 外壁のコーキングに亀裂があるのを見つけた方
コーキング工事の語源
コーキング工事の語源は英語の【Caulking】から来ています。
Caulkingとは木造船を作る時に板と板の隙間を埋めて水が入らないようにする事で、繊維状の材料を押し込んでいました。 つまり「船の防水工事」という意味で、それが建物の継ぎ目を埋めることに転じたわけです。 建築物の場合は、主にボード材の継ぎ目(ジョイント)や段差(ギャップ)を埋める事という意味で使われていて、いわゆる「パテ」とは用途が違います。 |
日本のJIS規格では【(油性)コーキング】を「表面は固まるが内部までは硬化しない材料」として定義していて、【シーリング】は「表面・内部共に弾力を維持しながら硬化する材料」として定義してます。
ですから本来は、水密性や気密性を得るために充塡する材料の正しい総称は「シーリング」なのですが、工事業者間の一般的な呼び名では「コーキング」も「シーリング」も同じ意味で両方使われています。
敢えて区別すると、現場の職人間では下記のように使い分けています。
- 素人や大工さん等が補修工事用にカートリッジ式の容器に入っているものを使う場合は…コーキングと呼ぶ場合が多い
- 専門業者がサイディング外壁の目地を全て埋めるような工事をする場合には…シーリング工事と呼ぶ場合が多い
(コーキング屋さんとは呼ばずにシール屋さんと呼ぶ)
ちなみに、欧米では「Sealing(シーリング)」ではなく、「Caulking(コーキング)」又は「sealant(シーラント)」が「防水」を目的とした用途として使われています、不思議ですね(^^)
外壁塗装の「シーリング/コーキング工事」
外壁塗装の場合「コーキング工事」と言うと、主にサイディング外壁の目地の継ぎ目を埋め雨漏りを防ぐ工事です。
工事を担当するのは新築の場合は専門職人のコーキング屋さんの場合とサイディング屋さんが工事をする場合があります。
外壁塗装(塗り替え工事)の場合は専門職人のコーキング屋さんが行う場合がほとんどですが、塗装職人がコーキングもする場合があります。
(内装の場合だと、キッチンやお風呂などの水廻りの目地を埋める工事になり、コーキングをする量が少ないためコーキング職人は来ません)
シーリングが劣化すると困ること
サイディングの外壁では、新築時に施工されたコーキング材が10年前後で切れたりビビが入り、下地に雨が入ってしまいます。
サイディング外壁の中に雨水が入っても良い訳はありません。
雨水が常時入るようになれば、壁の下地に貼ってある透湿防水紙に不具合が起きて室内への雨漏りに直結してしまうからです。
「サイディング外壁の雨漏り
一般的に「サイディング外壁は外壁にヒビが入らないから雨漏りしない(しにくい)」と思われているようですが、それには「コーキング交換を適切な時期に行えば」という前提があります。
逆にモルタル外壁はヒビが入らない家もありますが、サイディング外壁の場合は必ずコーキングが劣化してヒビや亀裂が入ります。
「そうとは思わなかった…」「新築の時に聞いていない!」といったお話をよく耳にしますので、新築の会社には今後のメンテナンスの計画をきちんと説明しておいて貰いたいものです。
コーキング工事に掛る費用
そうなるとサイディング外壁の場合は、塗装代以外にもコーキング工事が必要になります。
工事が増えると費用も増えますから、適切な工事をご提案してもあまり歓迎されません(苦笑)
コーキング工事の費用は工事内容と必要な数量によって変わります。
今付いているコーキングをカッターで切り取って入れ換える工事の場合は、1m800円~1,000円程度です。【打ち替え工事】
今付いているコーキングの上に足す工事の場合は、1m600円~800円程度です。【打ち増し工事】
コーキング工事の見積り比較のよくある間違い
外壁塗装工事の見積りで、よくある間違いをご紹介します。
工事の数量が多いと金額も高くなってしまうので、数量が多いと嫌なのは消費者感情として理解出来ます
ただ、数量が少ないのは単にやらない所があるから、だとしたらどうでしょう?
コーキング工事は、目に見えて増える訳では無く塗装のように塗った所が後で見える訳でも無いので、手抜き工事がしやすい場所なのです。
数量の違う見積りが出てしまったらどうしたら良い?
数量の計り方は各社まちまちですから、同じ場所を工事するにしても1.3倍程度は違いこともあります。
もしもコーキング工事の数量が違う見積書が出てしまった場合は、工事の場所を確認すのが良いでしょう。
コーキングの亀裂の原因は2種類
コーキングの亀裂は以下の2種類の要因から起こります。
コーキング材自体
コーキング材は10年程度で太陽からの紫外線劣化により経年劣化によるヒビ割れが起きます。
最終的にはコーキング材が落ちてしまったり、風化して無くなってしまったりします。
サイディングパネル
一般的な木造住宅のサイディングパネルは0.45m×2.7mのサイズと細長い形状です。
この長い側が反ったり伸縮した時にコーキング材が伸びきれずに接着面が切れてしまいます。
この場合コーキング材の劣化が無くても切れた部分は大きく隙間が空いたままになってしまいます。
コーキング交換の時期
上記の理由から、サイディングのコーキングの交換時期は基本的に10年~14年が限界です。
10年前後の塗り替え時にコーキングに劣化の兆しが見られない場合には非常に悩みます。
花まるリフォームではサイディングの外壁塗装では全個所の交換を基本に考えていますが、そのような時には例えば【南側と西側だけコーキングを交換する】といったベストでは無くベターな選択を、リスクも踏まえてご相談をしながらプランを組み立てています。
投稿者プロフィール
- 花まるリフォーム代表。高橋塗装店の息子として世田谷で生まれ育ち22歳で職人デビュー38歳で花まるリフォームとして独立しました。戸建住宅の「外壁塗装」に関わることなら誰よりも知識と経験が有る、そんなイケナイ自負(苦笑)があります。仕事以外ではアニメとかマンガが好きな第一次オタク世代です。
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